2015年05月15日

インデックス「ご飯くれると嬉しいな♪」アレイスター「ふむ・・・」

1 : ◆aWeOQSfgWQ[sage]:2011/04/27(水) 21:16:35.17 ID:C5p7FW6N0
とある学生寮の一室


コポコポ……

ビーカーの中に一人の男がいた
腰まで届く色の抜けた銀色の髪
表情を窺えぬ端正な顔
男性にも女性にも、大人にも子供にも、聖人にも罪人にも見える奇妙な雰囲気

「ふむ、やはり落ち着く……」コポコポ

アレイスター=クロウリー
それが彼の名前だった

インデックス「ご飯くれると嬉しいな♪」アレイスター「ふむ・・・」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1303/13039/1303906594.html


アレイスター「……そう、答えはA」コポコポ

そう言って彼は目の前を見ていた
テレビだ
テレビ<正解はAです!

アレイスター「やはりな……私の理論は正しい」

そう言って答えが合っていたことに満足しながらクイズ番組を眺めていた
その顔は満足しているようにも見える

テレビ<第五問!このシルエットは何でしょう!?

テレビ画面にシルエットが出てきた瞬間だった
ヒュン、と音がして目の前に一人の人が出てきた
いや、それは人なのかどうかも分からなかった

アレイスター「いきなり出てこないでくれ、エイワス」ハァ

金色の長い髪、光り輝く長身
その肢体を包むゆったりとした白い布の装束
その顔には喜怒哀楽があり、それでいて人とは異質なものを根幹に秘めた極めてフラットな顔つきの女性

エイワス「良いではないか、私は君の守護天使なのだから」

エイワス
それが彼女の名前だった
自称、『守護天使系才色兼備美少女』と言っている
訳が分からなかった
2 : ◆aWeOQSfgWQ[sage]:2011/04/27(水) 21:18:38.15 ID:C5p7FW6N0
アレイスター「君のおかげで私の連続正解記録が途絶えてしまったではないか」

エイワス「良いではないか、どうせ君にとっては簡単な問題なのだから」

アレイスター「確かに私はこの程度のクイズ番組は簡単だ」

エイワス「なら何故君は見ているんだ?」

アレイスター「いつか私が答えられないような問題が出てくると信じてな」

エイワス「ああ、それで……」

エイワス「ふふ、やはり君は面白いな……君の生きがいはテレビしかないのか?」

アレイスター「さあ、な」

そう言ってアレイスターは遠隔操作のラジコンのようなものでリモコンを操作してチャンネルを回した
何故遠隔操作で直接テレビを操作できるようにしなかったのか、なんて事は絶対に聞いてはいけない

エイワス「君は性欲などには興味は無いのかね?」

アレイスター「無いな」キッパリ

エイワス「君はどうかしている」

そう言って今だかつてアレイスターが使用したことの無いベッドにエイワスは寝転んだ
何処かの爆弾持ってるベレー帽の少女もビックリな脚線美を見せ付けるように寝転んでいたがアレイスターは表情一つ動かさなかった

エイワス「……君はどんな娘が好みなんだ?」

アレイスター「強いて言えば落下系ヒロインと言ったところか」

エイワス「ジブ○作品の『天井の城・ラヒュタ』のヒロインの事か?」

アレイスター「そうだな、空から落ちてきた少女が実はクローンだったと言うのは意外な展開だったな」

エイワス「確かにあれは………ん?」

エイワス「そうか、ならば喜べ、君の願いは叶うぞ」

アレイスター「それはどういう――――」
3 : ◆aWeOQSfgWQ[sage]:2011/04/27(水) 21:20:54.76 ID:C5p7FW6N0
エイワスがそんな事を呟いた瞬間だった
物凄い音と共に窓ガラスが割れてビーカーに白い物体が突っ込んで来た
ビーカーは割れて中からは水が出てきた

エイワス「………」

アレイスター「どっかのタンボール好きの用兵もビックリなローリングだな」

アレイスターは割れたビーカーの破片を踏まない様にビーカーの中から出てきた
そして一言

アレイスター「床がビショビショだな」

エイワス「やはり君はどうかしている」

エイワスの言葉を無視してアレイスターは棚からモップを取り出して水をベランダに追い出した
そして残ったガラスの破片を慎重に箒と塵取りを使って捨てた

エイワス「手際がいいな」

アレイスター「私には16と30の掃除方法があるからな、どんな状況でも対応できる」

エイワス「普通に46の掃除方法でいいじゃないか」

アレイスター「分けて言うとかっこよく聞こえないか?」
4 : ◆aWeOQSfgWQ[sage]:2011/04/27(水) 21:24:28.41 ID:C5p7FW6N0
そして部屋は片付いた
アレイスターはビーカーを見て無言で隣の部屋に運んだ
「お気に入りが・・・」と呟いた
その際にエイワスも手伝わせた
「何故私が……」などと呟いていた
そして、部屋が片付いてようやく本題に

アレイスター「これはなんだ?」

エイワス「やっと君はそれに手をつけたか、優先順位が可笑しいだろう」

アレイスターはとりあえず白い塊を突いてみた
モゾモゾ動いたのでとりあえず生き物な事はわかった
そして白い塊は頭らしきものを上げた

「お……な……す………た」

エイワス「オナスター?」

アレイスター「君は何を言っているんだ」

エイワス「君の改名した時の名前…か?」

アレイスター「オナスター=クロウリー……だと?」

エイワス「気持ち悪い名前だな、止めてくれ」

アレイスター「君が言ったのだろう……」

「おなか、すいた」

アレイスター「ん?」

「お腹空いた」

エイワス「……」

アレイスター「……」

「ご飯くれると嬉しいな♪」

アレイスター「ふむ……」

こうして、物語のヒロインと主人公は出会った
本来ならばこの主人公はラスボスの位置にいる
だがこの物語は違う
今から描かれるのは

科学者を夢見る男 アレイスター
自称守護天使   エイワス
大食いシスター  インデックス

の物語である

5 : ◆aWeOQSfgWQ[sage]:2011/04/27(水) 21:25:37.44 ID:C5p7FW6N0
注意!

・この話にはアレイスターとエイワスとインデックスの成分が大量に含まれます

・アレイスターとエイワスの話し方に違和感を覚えると思いますがご了承ください

・この話は原作の上条さんをアレイスターに置き換えただけの話です

・アレイスターの能力は原作ではまだ「衝撃の杖」しか出て来ていないのでオリジナルになります

・基本>>1は亀です

23 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 10:01:46.14 ID:mTzSMSq90
とりあえず頭の中にある150のレシピの一つ、カップラーメンを作り白い塊に食べさせた
エイワスに「それはレシピに入るのか?」と突っ込まれた、気にしない

「美味しかった、ごちそうさまなんだよ!」

アレイスター「それで君は一体何者だ?」

「私?私の名前はインデックスって言うんだよ!」

アレイスター「インデックス?」

目次、それは誰が聞いても偽名だと思うだろう
が、そう思わないのは二人のクオリティー

インデックス「見ての通り教会のものです…あ、バチカンじゃなくてイギリス清教の方だよ」

アレイスター「そうか、私の名前はアレイスター=クロウリー」

インデックス「よろしくなんだよ、アレイスター!」

エイワス「私を忘れてもらっては困る」

そう言ってエイワスが出現した
アレイスターの肩の上に

アレイスター「何故肩車……」

インデックス「わっ!何か出たんだよ!」

エイワス「私はエイワス、守護天使系才色兼備美少女エイワスだ」

インデックス「守護天使系才色兼備美少女エイワスだね!」

アレイスター(覚えられるのか……)
24 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 10:02:37.34 ID:mTzSMSq90
アレイスター「で、だ……何故私の部屋にローリングしてきたんだ?」

インデックス「ローリングしたんじゃないよ、落ちたんだよ」

インデックス「追い詰められて、隣の屋上に飛び移ろうとした時背中を撃たれてね」

エイワス「その結果がローリングに繋がったのか」

追い詰められて
この言葉に違和感を覚えた
撃たれたと言った背中には傷は無かった

アレイスター「何故追われていたんだ?」

インデックス「私は『禁書目録』だから、十万三千冊の魔道書が連中の狙いなんだと思う」

二人「連中?」

インデックス「魔術結社だよ」

アレイスター「……」

エイワス「……」

アレイスター「魔術……か」

インデックス「むー、信じてないの?」

アレイスター「信じられないが…いや、興味深い……」

インデックス「興味は持ってくれたんだね」

エイワス「君はすぐに興味を見つける人間だからな」

アレイスター「よし、ならば魔術を使ってみてくれ」

インデックス「私は魔力が無いから出来ないよ」

アレイスター「君はイオナズンみたいなノリを求めているのか?」

エイワス「ネタが古いと思うのだが……わかる人はいるのか?」

アレイスター「とりあえず、お引取り願おうか」

インデックス「魔術はあるもん!……そうだ!」

そう言ってとたとたと台所に走っていった
そして戻ってきて手に持っていたものは……

アレイスター「日本……刀?」

インデックス「これで刺してみて!」
25 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 10:06:39.55 ID:mTzSMSq90
アレイスター「その刀は何処で……」

インデックス「台所に置いてあったんだよ!」

アレイスター「何故……まさか」


―回想開始―


エイワス(「ふむ、カナミンの敵の刀カッコイイと思うのだが」)

アレイスター(「君の力なら簡単に作れるだろう?」)

エイワス(「そうだな、ではベースとなる包丁を一本貰うぞ」)

アレイスター(「分かった」)


―回想終了―


アレイスター「さっき台所に行った時に中華包丁が足りないと思ったが……」ガシッ

エイワス「カップラーメンを作るのに包丁は必要なのか?あと首が絞ま……苦しい」

アレイスター「別にカップラーメンに包丁は必要ないだろう?たまたま包丁のある棚を開いて覗いたら無かっただけだ」

エイワス「たまたまね……く、苦しいから止めてくれ」

インデックス「人の話を聞いてよ!」

二人はインデックスの存在を忘れて話していたためインデックスがいたことを知ってすぐに二人は会話を止めた
アレイスターは日本刀の事を深く突っ込まずにインデックスに耳を傾けた

アレイスター「で、何故この日本刀で君を斬らなければいけないんだ?」

エイワス「殺人鬼になれと言う事では?」

アレイスター「なるほど、それもまた一興……」

インデックス「違うよ!この修道服は協会としての最低限の要素を詰め込んだ『歩く教会』なんだから!」

インデックス「銃に撃たれてもナイフで斬られても大丈夫だもん!」
26 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 10:07:19.78 ID:mTzSMSq90
インデックス「だからこの日本刀で私を刺してみて!」グイグイ

エイワス「随分と命を張ったハードSMが好みなのか」

アレイスター「あなたは自分の発言を見直したほうが良いと思いますよ」

インデックス「早く!」

エイワス「仕方ない」カチャ

アレイスター「君がやるのか」

エイワス「アレイスター」

アレイスター「どうした?」

エイワス「……死体処理は任せたよ」ボソ

アレイスター「え」

ボソりと危ない発言をしたエイワスは鞘から刀を抜いた
音速で抜刀された刀はインデックスに当たりインデックスはふっ飛んだ

エイワス「ふっ!!!!」

アレイスター「いやエイワスそんな事出来―――」
27 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 10:08:44.61 ID:mTzSMSq90
インデックスと共に壁に吹き飛ばした
壁は粉々になり隣の部屋が見えていた

アレイスター「壁が……」ズーン

インデックス「いたた、ほらね」

インデックスの腹には切り傷一つ無かった
そしてピンピンしながら立ち上がった
対する刀のほうは見事に折れていた

エイワス「……本当みたいだな」

アレイスター「これは窓の無いビルと同じ素材が使われているのか…?」ペタペタ

インデックス「どう?凄いでしょ」ドヤ

アレイスター「そうだな、ならば此方も奥の手を使うか」

インデックス「どんな攻撃も効かないんだよ!」フフン

アレイスターは目の前で何かを掴んだ
そして徐々にそれは現れた
先端に何かの花のような物がついていた銀色の杖

インデックス「杖?」

アレイスター「私の能力『幻想の杖』(イマジンロッド)」

アレイスター「この杖に触れた異能の力は大抵消し去ることが出来る」

アレイスター「それはすごいパンチも神の奇跡も例外ではない」

アレイスター「ただし余りにも力が大きすぎる攻撃に関しては消し去ることが出来ないがな」
28 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 10:11:00.64 ID:mTzSMSq90
アレイスター「もし、もしこの杖で君の修道服を叩けば修道服を破壊することが出来る」

インデックス「その杖が本物ならね」

アレイスター「ゆくぞ」

アレイスターは軽くインデックスの背中を叩いた
コン、と音が鳴った

インデックス「……」

エイワス「……」

アレイスター「……ふ、どうやら私の負けらしい」

インデックス「ふん、この修道服を杖で叩いた程度で壊せたら意味無いんだよ!」

エイワス「その杖は本物だと思っていたんだが……」

アレイスター「仕方ないだろう」

インデックス「じゃあ私はもう行くね」
29 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 10:16:54.52 ID:mTzSMSq90
アレイスター「いや、ここに居た方がいいのでは?」

エイワス「危ない目に遭うと知っていて放ってはおけないな」

インデックス「駄目だよ、ここにいたら迷惑かけちゃうから」

アレイスター「迷惑ならいくらでもかけたまえ、私が君を匿おう」

エイワス「私とアレイスターのコンビなら大抵の敵は倒せるはずだ」

アレイスター「あなたは何も手を出さないつもりなんだろう?」

エイワス「手を出さないではなく手が出せないだ、とにかくまだここに居た方がいい」

インデックス「なら………」



インデックス「私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?」



アレイスター「………」

エイワス「………」

インデックス「ありがとうなんだよ、またね」








バタン、と扉は閉まりインデックスは出て行った
二人はしばらく扉のほうを見ていた

エイワス「いいのか?」

アレイスター「冗談でも『うん』と言っておくべきだと思ったよ……」

アレイスター「……なんて、思うほうが可笑しい」

エイワス「ふふ、そういう冷徹なところも私は好きだよ」

アレイスター「しかし……私の杖」

エイワス「あれは何故破壊できなかった?」

アレイスター「いや、破壊は出来たいたさ、ただ布までは壊せなかったみたいだがな」

アレイスター「本当に最低限の布としての機能しか果たしていないよ」

エイワス「そうか、それはそうと出かけよう」

アレイスター「外に出るのか……灼熱の太陽の下、暑い中歩くなど馬鹿げているよ」

エイワス「私の特殊機能を使おう」ピカァァアア

アレイスター「急に涼しくなったな、これなら外に出ても良いだろう」

エイワス「ふふ、二人で外出など久しぶりだな」

アレイスター「そうだな」

二人はインデックスの存在など忘れたかのように外出の準備をした
それがこの二人、興味を無くせばすぐに忘れてしまうような人間だった

42 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 20:34:24.39 ID:mTzSMSq90
アレイスターの手には沢山の手荷物があった
食材、服、置物などの大半はエイワスの欲しいものが袋の中に入っていた

アレイスター「沢山買ったな、君は少しは遠慮したらどうだ?」

エイワス「良いじゃないか、女の子と付き合うとはこういうことだと思うぞ」

アレイスター「面倒だな、それより君も運ぶのを手伝ってくれないか?」

エイワス「か弱い女の子に?」

アレイスター「か弱い失笑)」

エイワス「何が(笑)だ、思いっきり(失笑)じゃないか」

「お、アレイスターじゃないか!」

エイワス「ん?声が……」

アレイスター「君か、削板」

声をかけてきたのは学園都市230万人の内の頂点に君臨する七人のうちの一人
名を削板軍覇
根性をこよなく愛する能力不明のレベル5

削板「なんだ?その沢山の手荷物」

アレイスター「エイワスが運べと言ってな」

削板「あの金髪美人か」

エイワス「照れるじゃないか」ヒュン

削板「お、元気そうだな、エイワス」

エイワス「ああ、君も元気そうで何よりだ」
43 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 20:35:24.21 ID:mTzSMSq90
アレイスター「まったく、君からも言ってくれ、殆ど荷物はエイワスの物だと言うのに手伝おうとしないんだ」

エイワス「最初は『大丈夫だ、この程度』などと言っていたのだがな」

削板「根性が足りないな、言ったことは最後まで守ろうぜ」

アレイスター「くっ、ここまで荷物が増えると思っていなかった……これは私のミスか」

エイワス「ふふ、だとしても二時間は持っているな、そろそろ私も手伝おう」

削板「二時間もか!アレイスターの割には根性あるな」

アレイスター「私の割りにはってどういう意味だ」ハァ

削板「そのままの意味だ」キッパリ

エイワス「ほら、荷物をよこすんだ」ヨイショ

アレイスター「頼んだ」ヨイショ

削板「よし、俺も運ぶぞぉぉおおおおお!」ドカーン

アレイスター「運ばなくていい、そして爆発もしなくていい」

アレイスター「と言うより君も何か用事があったのでは?」

削板「そうだった!俺も行く場所があったんだ!!」

エイワス「後先考えて発言したほうが良いぞ」

削板「ああ、そうさせてもらうぜ!」

アレイスター「朝は魔術師、夕方はコンジョー超能力者……か」

エイワス「よく分からない一日だったな」

削板「魔術師ってなんだ?」

二人「「さぁな」」
44 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 20:36:30.25 ID:mTzSMSq90
アレイスター「やっと学生寮か」

エイワス「そうだな、やっとだ」

アレイスター「さて、早く家に入って冷たい麦茶を……」

エイワス「……清掃ロボが三台?」

部屋の前で何かを除けようと三台の清掃ロボは突進していた
その間には一人の少女

アレイスター「はぁ、あれだけ言っておいて……」ハァ

エイワス「ふふ、この子も交えて早く食事の準備をしよう」

アレイスター「そうだな」

アレイスター「インデックス、また行き倒……」ビチャ

インデックスに近づいた時だった
何かが飛び散って頬に付いた
それは紅いインクの様なもの
だがそれは良く見れば紛れも無い血だった
背中には大きく切り裂かれたような傷があった

エイワス「・・・・・・まだ血が固まっていない、私が応急措置をしておこう」ピカァァアア

アレイスター「わかった、君の能力で応急措置は頼んだ」

エイワス「しかし誰がこんな事を……?」


「うん?僕達『魔術師』だけど?」
45 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 20:37:17.69 ID:mTzSMSq90
目の前には見た目が20歳ほどの男
頬にバーコードがあり、煙草を吸っている赤髪の男

「随分と派手にやってくれて……神裂が斬ったって話は聞いていたけど」

エイワス「魔術師だが何だが知らないが……」

アレイスター「こんな小さな女の子一人によってたかって……」

エイワス「重度のロリコンじゃすまないぞ、死にかけを好むハードなSなのか?魔術師とは」

エイワス「何よりもここは禁煙だぞ」

「………」

エイワス「まったく、マナーも守れないようでは煙草を吸う価値は無いよ、ハードなSMが好きなロリコンときたものだ……」

エイワス「救いようが無いな」

アレイスター「あなたは鏡を見て今言ったことをもう一度発言してみろ」

エイワス「やはり君は酷いな」

エイワス「と言うより、今は真面目に怒るべきだったのか?」

エイワス「今の気持ちをそのまま口に出してみたんだが」

アレイスター「……もうどうでもいい」

「とにかくそれを回収するよ、どいてくれないかな?」

「ソレの持っている10万3000冊の魔道書を回収品ければいけないんだ」

アレイスター「出来ないな、それにこの子の何処に魔道書とやらがあるんだ?」

「あるさ、魔道書は……禁書目録の頭に中に」
46 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 20:49:24.67 ID:mTzSMSq90
二人は赤髪の男から禁書目録の意味を聞き出した
そしてそれがどれ程の価値なのかを

アレイスター「……禁書目録(インデックス)」

エイワス「そういうことか、魔道書とやらを写すではなく記憶させることで膨大な量の兵器を持つ事が出来るのか」

アレイスター「それを考えた人間は頭がいいな、称賛を送りたい」

「……そういうことだ、だから僕達はその子を保護しに来た」

アレイスター「保護、か」

「何が可笑しい?」

そう言ってアレイスターは見えない杖を持った
そして言い放った

アレイスター「保護するに相応しい力を持っているか試してやろう」

「……ステイルと名乗りたいところだけど、今は名乗っちゃいけないからね」

ステイル「僕達、魔術師は魔術を使うときに真名を名乗ってはいけないと言う因習があってね」

エイワス「いや、今ステイルって名乗っ……」

ステイル「だからここは魔法名を名乗らせてもらうよ」

ステイル「我が名が最強である理由をここに証明する―――Fortis931!」

ステイルは魔法名とやらを名乗り懐から一枚のカードを取り出した
それは炎となりアレイスターに襲い掛かった
47 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 20:53:51.85 ID:mTzSMSq90
ステイル「巨人に苦痛の贈り物!!」

アレイスター(これが、これが魔術の炎―――)

目の前から自分の見た事の無い未知の炎の攻撃が襲い掛かってきた
様々な思いがアレイスターの中で渦巻いた
そして、アレイスターは笑った

アレイスター「興味深い!!」

見えない杖を振り炎を一撃で消し去った
そして見えない杖はやがて姿を現した
先端に蕾のような物が現れ
そして徐々に銀色が見えてきた

ステイル「!?」

アレイスター「そう、『歩く教会』とやらを壊したのもこの杖だ」

アレイスター「その程度で勝てるとでも?」

そう言って見下すように笑った
ステイルは二歩後ろに下がった

ステイル(気になっていた、一部ではあるが『歩く教会』を破壊されていた)

ステイル(聖ジョージのドラゴンでも現れない限り破壊不可能の絶対の壁をどうやって!?)

ステイル「考えていても仕方が無いか」

そう言って再びカードを取り出した

ステイル「世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎……」

エイワス「それが詠唱と言う物か、本当にRPGの様だ」

アレイスター「エイワス、君はインデックスを守っていてくれ」

エイワス「分かっているよ」

ステイル「殺せ、魔女狩りの王……イノケンティウス!!」
48 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 20:57:01.90 ID:mTzSMSq90
目の前にはアレイスターよりも一回り大きい炎の巨人がいた
炎の十字架を持ち、今にも襲い掛かってきそうな……

エイワス「襲い掛かるために出てきたのだろう」

アレイスター「地の文にツッコミをいれるとは、な」

そんな会話を無視して魔女狩りの王はアレイスターに襲い掛かった
アレイスターは隙を見て腹に杖を刺して上に振り上げた
魔女狩りの王は呆気なく崩れ、形を失った

アレイスター「呆気ないな」

エイワス「いや、まだだ」

アレイスターは何かに気付いて二歩後ろに下がった
形を失ったはずの魔女狩りの王が再生を始めていた
そして再生が終了したと同時に十字架で襲い掛かってきた

アレイスター「くっ」

ギィィィンン、と炎の十字架と銀色の杖が火花を散らす
アレイスターの『幻想の杖』は異能の力を破壊できる特殊な杖
だがそれには幾つかの弱点があった
その一つが壊れたと同時に高速で再生してゆくもの
杖で消しきれずに杖が壊れる可能性があるからだ
だが杖が壊れる前にそのまま力で押し切られる可能性もある

アレイスター「面倒な王様、だな……!!」

ステイル「灰は灰に…塵は塵に……」

魔女狩りの王の横から二つの炎が飛んできた

ステイル「吸血殺しの紅十字!!」
49 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 21:00:41.47 ID:mTzSMSq90
アレイスター「ぐっ……!!」

アレイスターはそのままふっ飛ばされて6階から落とされた

エイワス「アレイスター!?」

エイワスの声が上から聞こえた
アレイスターは杖を上手く引っ掛けて3階に着地した

アレイスター「何とかミンチにはならずにすんだか……」

アレイスターはすぐさま魔女狩りの王に対する対策を考えた
本体を潰す?だが肝心の魔女狩りの王が邪魔で本体を叩くことが出来ない
考えていたときだった、ふと沢山の文字が目に入った

アレイスター「ルーン文字……見たことはあるな」

昔は魔術を使うときにルーンが必要になっていたと何処かの本で見たことがあった
その瞬間、アレイスターは予想した
このカードがあの巨人を形成しているのでは、と

アレイスター「ならばこのルーンの文字を幾つか消してしまえば形がとれなくなる、もしくは制御できずに暴走を起こせるか?」

アレイスター「物は試し、幸い見る限りコピー用紙……水でインクを落とす事が出来る」

アレイスター「問題は……」

アレイスターは何枚かルーンを取ってアレイスターは「ふふ」と笑った

50 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/04/28(木) 21:01:08.66 ID:mTzSMSq90



アレイスター「まさかコピー用紙一枚一枚にラミネート加工されているとは……」



62 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:07:45.45 ID:/M5AqObr0
ステイル「さて、後は君一人だ」

エイワス「私のような美少女を襲うとは、まったく……」

エイワス(早く帰ってきてくれアレイスター!私の応急措置は一時的に傷口を止めるものでしかない)

エイワス(さらに私は攻撃ではなく守ることしか出来ない)

ステイル「さて、死んでもらうよ」

アレイスターを襲った炎と同じ炎がエイワスを襲った
エイワスはそのまま応急措置を止めて片手を出した
片手から一つの見えない『壁』が飛び出して、炎を止めた

エイワス「幻想障壁(イマジンストップ)」

ステイル「あの男といい君といい……何の能力なんだ?」

エイワス「はぁ、はぁ……」

エイワス(思いつきで名前もつけてやってしまったが何とか成功したか)

エイワス(だが何故この様な技が?私は一体何者なのだ……?)

ステイル「……どうやら、君はあの男のように自由では無いらしい」

そう言ってステイルは二撃目を出した
幻想障壁を出そうとしたが中途半端にしか出来上がらずエイワスはふっ飛んだ
直撃は免れたおかげで燃えずには済んだが、幻想障壁を使ったせいで動くのが難しかった

エイワス(どうやらこの技は使うのに相当な体力を使うようだな)
63 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:08:56.97 ID:/M5AqObr0
ステイル「もう終わりか、呆気ないな」

そう言ってインデックスに触れようとした

エイワス「触れ……るな」

エイワス「まだアレイスターは、諦めていない……はず」

ステイル「どうしてここに魔女狩りの王がいないと思う?」

エイワス「!?」

考えたくはなかった
アレイスターとは意思の疎通が出来るわけでもなく
どんな状況なのかも分からない
『エイワス』と言う存在はアレイスターによって呼び出されている存在かも分からない
気が付いたらアレイスターの横にいたような存在
それ故にアレイスターとの関係は全く分からない
自分も含めて

エイワス「だと、しても……私が倒れるわけにもいかないのでね」ユラ・・・

フラフラしながらもエイワスは立ち上がった
目の前の男を睨みつけながら

ステイル「あははは!そんな状態で何が出来るんだ?」

ステイルはそのまま近づいて止めを刺そうとした
エイワスは目を瞑ることなく睨みつけた
ステイルは無言でカードを取り出した

エイワス(すまないな、アレイスター)

炎が来る、そう感じたエイワスは自分の最後だと確信した
ふふ、と少し微笑んでステイルを睨んだ
その直後だった
カタン、とステイルの後ろで音がした
そこには銀色の髪、銀色の杖を持った男
アレイスター=クロウリーがいた
64 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:10:34.51 ID:/M5AqObr0
数分前


アレイスター「くっ!ラミネートとは何故……!!」

アレイスターはカードのラミネートを剥がしてルーンの文字を消そうと必死になっていた
だが肝心のラミネートが剥がせずにいたアレイスターは魔女狩りの王から必死に逃げながらの作業だった

アレイスター「くっ!昨日の夜に爪を切ったのが失敗だったか…?」

アレイスター「そもそも爪で剥がせるとは思わないのだがな」

アレイスター「なら破いてみるか?いや、破くことも難しいか」

アレイスターは何枚か持っているルーンを魔女狩りの王に投げつけた
燃やした場合はどうなるのか試そうとした、が

アレイスター「炎がルーンを避けた……!?」

魔女狩りの王は投げたカードを避けて再び追ってきた
アレイスターはここで燃やすことが有効だとは分かった

アレイスター「だが燃やすことが出来ない……」

爪を切ったためにラミネートは剥がせず、さらに炎で燃やせない
アレイスターは時間稼ぎのために銀色の杖を呼び出して魔女狩りの王と向かい合った
アレイスターに巨大な炎の十字架をぶつけた
銀色の杖で受け止めるが後ろに吹き飛ばされた

アレイスター「くっ、この状態は……」

着地寸前に容赦の無い十字架での攻撃
当たれば死は確定していた

アレイスター「ならば……!」

ポケットから一つの球体を取り出して投げつけた
魔女狩りの王に触れた瞬間爆発して暴風が起きた

アレイスター「私が自作で作った特製の爆弾で逃げ切る・・・・・・か?」

実験好きのアレイスターが作った試作品の一つ
炎に触れた瞬間爆発して強烈な爆風を起こす自作の爆弾
爆風だけで人を吹き飛ばすことだけに特化した物
なおその爆風での被害は少なく、人体への影響もほとんどない

アレイスター「時間稼ぎにはなるか…!?」

隙を見て懐に入りもう一度杖で突き刺した
貫通はしたが高速での再生によって意味がなかった
時間稼ぎにならないと判断してポケットからもう一度爆弾を取り出して投げようとした
が、慌てて出したために幾つか零れ落ち、それらは起爆した

アレイスター「がっ…!!」
65 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:12:47.83 ID:/M5AqObr0
その瞬間
爆風によってアレイスターは建物の外まで吹き飛ばされた
運良く自転車置き場の屋根に落ちて、硬いコンクリートの上でのた打ち回る事はなかった

アレイスター「流石に人体に影響がほとんど無いものでも」

アレイスター「5、6個同時に使えば痛みくらいはくるか・・・・・・」

アレイスター「魔女狩りの王は・・・?」

イノケンティウス<バーニンガガッ!!

すぐさま立ち上がろうとした瞬間、炎の十字架が振り下ろされた
が、それは直前で止まった

アレイスター「ここまでは追ってこれないらしいな……これで警備員に通報が出来ると言うものだ」

アレイスター「私が動くよりも彼らに任せたほうが良いだろう」

携帯を取り出して通報しようとした
その瞬間、一つの言葉が脳内で響いた



――私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?――



アレイスター「ふ、ふふふ……地獄か」

アレイスター「興味深い、私の研究対象として扱ってやろう」

そしてアレイスターはエイワスとインデックスの元に走っていった
66 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:13:47.59 ID:/M5AqObr0
アレイスター「それを殺すのは待ってもらおうか」

ステイル「まだ殺されていなかったのか」

アレイスター「ああ、残念ながらな」ドヤ

アレイスターは杖を構えた
そして魔女狩りの王は姿を現した

ステイル「何度やっても同じことだ」

エイワス「アレイスター!」

アレイスター「見ていろ、これが私の戦い方だ」

銀色の杖が姿を現した
それをしっかりと掴み、再び魔女狩りの王と向き合う

ステイル「イノケンティウス!!」

振り下ろされた炎の十字架を弾いて後ろに下がる
そしてステイルと魔女狩りの王の位置をしっかりと確認する

アレイスター(銀色の蕾を持つ幻想を貫く杖)

アレイスター(この杖は不良との喧嘩なら不意打ちにだって使える)

アレイスター(異能を打ち消せ、弾くことも出来る)

杖を構え、しっかりと握る

アレイスター(そして何より―――)

そして杖を思いっきり振りかぶり

アレイスター(目の前のクソ野郎に向って思いっきり―――)

ステイル「ぐはぁ!?」

アレイスター「投げつける事が出来るんだからな」

投げた
丁度良く蕾の部分が頭に当たりステイルは意識を失い倒れた
67 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:15:12.98 ID:/M5AqObr0
エイワス「そんな発想があったのか」

アレイスター「炎の十字架に当たれば弾かれていただろうが」

アレイスター「それ以外には問題なく貫通するらしいからな」

エイワス「意表をついた攻撃か、流石だな君は」

アレイスター「それよりもインデックスは?」

エイワス「傷を塞いだが……」

アレイスター「君は傷を塞ぐことは出来るが治す事は出来ない」

エイワス「だから早く病院へ……」

アレイスター「出来ない」

エイワス「何故?」

アレイスター「奴は『上層部に話は通してある、この際住人が幾ら消えても構わない』と言っていた、インデックスを病院に連れて行けば……」

エイワス「待て、そんな事言ってたか?」

アレイスター「言っていた」

エイワス「だが私は君よりもあの男といたがそんな事言ってな「言っていた」

エイワス「………」

アレイスター「だからインデックスを連れて行けば自ら罠に掛かりに行くようなものだ」

エイワス「いや、言っていなかっ」

アレイスター「五月蝿い黙れ、言っておかないと話進まないんだ、言っていた事にしておけ」

エイワス(そこまでして言っていたことにしたかったのか……)
68 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:15:43.57 ID:/M5AqObr0
エイワス「だがどうですれば良い……」

アレイスター「……この子の中には10万の魔道書があると言う、その中に傷を塞ぐ魔術というのもあるはず―――」

インデックス「駄目だよ」

エイワスの腕の中にいるインデックスは目を覚ました
疲労の色が顔には出ていたが、気にせず話し始めた

インデックス「能力者と魔術師では、脳の回路が違うから……」

エイワス「能力者との回路が違う?」

アレイスター「学園都市の能力者は人工的に脳の回路を切り開いている」

アレイスター「恐らくそれが魔術を使う際に邪魔になる、違うか?」

インデックス「そういう事、だから君には使えない」

エイワス「……あと、10分」

アレイスター「傷が開くまでか……不味いな」

エイワス「……待て、能力者じゃなければいいんだな?」

インデックス「う、うん」

アレイスター「当てがあるのか?」

エイワス「一人、能力者以外の知り合いを知っていてる、そこに行こう」

そう言ってエイワスはインデックスを背負って走り出した
アレイスターもそれに続いた
69 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:16:26.48 ID:/M5AqObr0
とあるマンションの一室


そこは一つのマンション
その一室に立ち止まってインターホンを押した

アレイスター「ここは……」

エイワス「いるか?いるな、入るぞ」

そう言って鍵のかかっているドアをエイワスの謎の技術で開けた

「ちょ、勝手に……ってエイワスにアレイスター?」

アレイスター「夜遅くにすまないな、だがこれは緊急事態だ、頼みたい」

エイワス「傷が開いたぞ、後は任せたよ、黄泉川」

黄泉川「ちょ、ちょっと待つじゃんよ、どうなって」

アレイスター「詳しくはその女の子から聞いてくれ、これは命に関わる」

黄泉川「どうなってるか説明するじゃん!」

アレイスター「……頼む」

そう言ってアレイスターは土下座した
普段人に頭を下げるようなことはしない彼がとった珍しい行動だった
エイワスも目を丸くしていた

エイワス「アレイスター……」(とりあえず写メで保存だな)ピローン

黄泉川「とりあえず分かったじゃん、でも後から全部話してもらうじゃん」ピローン

アレイスター「そのつもりだ」

その時だった
血を流しながらインデックスが起き上がった
だが姿かたち同じなのにまるで別人のように見えた

70 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:16:57.06 ID:/M5AqObr0
黄泉川「そんな状態で起き上がったら……」

「警告第二章第六節、出欠による生命の流出が一定以上超えたため」

「強制的に『自動書記(ヨハネのペン)』で目覚めます」

アレイスター「自動書記?」

エイワス「ペンデックスと言った所か、しかしさっきとはまるで違う」

ペンデックス「現状を維持すれば20分後に生命力を失い絶命します」

ペンデックス「指示に従い適切な処置を施していただければ幸いです」

黄泉川「適切な処置って……何で病院に連れていかないじゃん!?」

アレイスター「それも含めて全部話す、だから……」

ペンデックス「蟹座の終わり、八時から十二時の夜半、方位は西方、水属性の守護、天使の役はヘルワイム」

そう呟いてペンデックスは血でテーブルに何かを書き始めた
それはアレイスターやエイワスから見ればRPGに出てくる魔方陣に見えた
71 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:17:40.27 ID:/M5AqObr0
黄泉川「何じゃん?これは」

ペンデックス「これはこの部屋全体です」

エイワス「……これは魔術の範囲を決めたということか?」

ペンデックス「そういう事です、これからあなたの手を借りて、肉体を再生します」

黄泉川「肉体を再生……?」

アレイスター「黄泉川、あなたはこの子の言うことに従って欲しい、それで全てがすむ」

ペンデックス「天使を降臨させ、神殿を作ります、私の後に続き唱えてください」

黄泉川「……とりあえず同じ事言えばいいだけじゃん」

アレイスター「エンジェルが生で見られるらしい」

エイワス「ふふ、楽しみだな」

ペンデックス「すぅー」

黄泉川「すぅー」

ペンデックスが息を吸う
黄泉川も息を吸う
と、ここで外から何かが聞こえてきた
それは偶然か必然か、だがそんなことはどうでもよかった

<エンゼルサマァ!!

ペンデックス「セー……」

エイワス「エンゼルさまァ!!」

黄泉川「ぶふっ!!」

ペンデックス「……」
72 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:20:00.65 ID:/M5AqObr0
ペンデックス「真面目にやってください」

黄泉川「だ、だってあのタイミングで『エンゼルさま』って……」ククク

アレイスター「反則だ、あのタイミングで……」ククク

エイワス「エンゼルさま!!」ハハハ

ペンデックス「………」

黄泉川「つ、次はちゃんとやるじゃん」

ペンデックス「では………セ」

<エンゼルサマァ!!

黄泉川「エンゼルサマァ!!」

エイワス「エンゼルサマァ!!」

ペンデックス「……失敗すれば脳神経は破壊され死にいたります」チッ

エイワス「だがエンゼルサマも天使、ならば降臨させるのはエンゼルサマでもいいんじゃないか?」

エイワス「うむ、そこに気がつくとはやはり天才か、私」

アレイスター「何を一人でつぶやいているんだ?」

そしてもう一度

<エンゼルサマァ!!

黄泉川+エイワス「エンゼルサマァ!!」

ペンデックス「エンゼルサマァ!!」

アレイスター「どうしてこうなった……」
73 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:20:39.12 ID:/M5AqObr0
ガコン、と部屋全体が揺れた
机の上のゲコ太人形が一言喋った

ゲコ太「エンゼルさまとリンクしました」

アレイスター「いや、駄目だろ……」

エイワス「リンクしたことによりエイワスさんはエンゼルさんとの会話が24時間何処でも……」

黄泉川「それよりこれはどうなってるじゃん!?」

ペンデックス「思い浮かべなさい!金色のエンゼル様を!二枚の美しい羽を持つエンゼル様を!!」チッ

エイワス「もうヤケクソじゃないか……」

黄泉川「んなネタみたいな物想像すればいいじゃん!?」

黄泉川「つってもエンゼル様ってどうやって想像……」

そんな事と言っている間にエイワスやアレイスター
そして黄泉川の周りに何故か


ドロドロとした火野神作の姿があった


黄泉川「ホラーよりもホラーじゃん!?」ヒィイ

ペンデックス「落ち着いて!さっさとエンゼル様を想像してくれれば終わります」イライラ

エイワス(段々とペンデックスちゃんがイライラしてる)

エイワス(カワイイ……)ジュルリ

アレイスター「顔に出ているぞ、エイワス」

黄泉川(えーっと、エンゼル様エンゼル様……)

そして出てきたものは美しい羽を持つ一人の

どう見ても火野神作でした
74 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/01(日) 13:21:57.16 ID:/M5AqObr0
アレイスター「死ぬかと思った」

エイワス「まったくだ、あそこでネタに走って美しい羽を持つ火野神作を思いつくとは……」

黄泉川「一生お前らを恨むじゃん……」

ペンデックス「生命の危機を回避、『自動書記』を休眠します」チッ

そう一言呟いてバタリと倒れてしまった
その顔は何処か幸せそうだった

黄泉川「幸せな顔じゃん……」

アレイスター「舌打ちしていた気がするのだが」

エイワス「ふふ、見ろよ……これ、死んでるんだぜ?」

アレイスター「確かに死んでるようにも見えるが縁起が悪いから止めてくれ」

黄泉川「そんな漫才はどうでもいいじゃん、全部説明してもらうよ」

アレイスター「実は……」カクカクシカジカ

エイワス「つまりは……」ダイハツムーヴ

黄泉川「……とりあえず私は外にいってくるから、その間に頭冷やして置くじゃん」バタン

アレイスター「……流石に初っ端から魔術を言うのは間違っていただろうか」

エイワス「まぁ……いいんじゃないかな?」

82 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 19:55:47.06 ID:Qki6fgOF0
インデックス「ん……」

目を覚ましたインデックスの視界に入った最初の物は

エイワス「やぁ」

インデックス「近いんだよ!?」ビクゥ!!

エイワス「すまないね、君が心配でな」

アレイスター「スゥー……スゥー……」

インデックス「アレイスターは大丈夫なの?」

エイワス「見てくれ、これ死んでるんだ……」

インデックス「ちゃんと息してるから寝ていることくらいは分かるんだよ」

エイワス「騙されなかったか……体は大丈夫か?」

インデックス「うん、少し体力が落ちてるだけだから」

エイワス「そうか、なら良かった」

インデックス「ゴメンね、私のせいでメーワクかけて」

少し俯いた様子のインデックスはエイワスに謝った
それをエイワスは笑ってかえした
83 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 19:56:20.59 ID:Qki6fgOF0
エイワス「君は馬鹿だな」ハハハ

インデックス「それはどういう意味かな!?」プンスカ

エイワス「迷惑をかけられたくて私達は君を助けた」

インデックス「迷惑をかけられてくて……?」

エイワス「そうでなければ君を助けたりはしない」

エイワス「最初に君があの部屋から出て行ったときアレイスターは君を追おうともしなかった」

エイワス「それは、君を助ける気がなかったからだ」

エイワス「だが、今こうして君は生きている……」

エイワス「助ける気がなかったのに迷惑をかけて来た君を助けようと思ったからだ」

エイワス「せっかく助けたんだ、謝るのではなく『ありがとう、これからも助けてください』と言うべきだよ」

インデックス「……うん、ありがと、エイワスとアレイスター……私をこれからも助けてね」

エイワス「ああ、任せろ」ニコ

アレイスター(余計なことを……)

横で寝ているアレイスターはそう思いながらも笑顔だった
84 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 19:57:17.26 ID:Qki6fgOF0



インデックス「起きるんだよ」

アレイスター「うわあああああああ!!」ガバッ

何故か絶叫しながらアレイスターはインデックスに起こされて起きた

アレイスター「リアルな夢を見たよ……」ハァ……

アレイスター「鋼じゃなくて黄金の錬金術師に殺されたり」

アレイスター「よく分からないクローンの実験止めたり」

アレイスター「アステカの魔術師にストーカーされたり」

エイワス「エツァリの事かー!」

インデックス「え?」

エイワス「え?」

エイワス(なぜエツァリなんて名前を出した?)

エイワス(そもそも名前なのかすら怪しいんじゃ……)

エイワス(日本人にエツァリなんて名前の人間はいるか?)

エイワス(そもそも日本人なのか?)

エイワス(そもそも……)

アレイスター「ま、私は予知専門ではないから大丈夫だろうな」

瀕死のインデックスと頭がどうかしている守護天使と共に黄泉川の家に転がり込んで三日
何も詳しい事情を聞かずに私達を泊めてくれていた
そして魔術師達の動きもなく平和だった
表向きは
85 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 19:58:22.28 ID:Qki6fgOF0
ビルの上で二人の男と女はマンションの一室を覗き見していた
一人はステイルと言う黒い神父
そしてもう一人は奇抜な格好をした女性

ステイル「生きているよ、魔術を使ったらしい」

「同伴していた少年と少女について探りましたが……」

「少年のほうは何らかの異能の力らしいです、が」

「少女?のほうは一切の情報が有りませんでした」

ステイル「少年は置いておいて……少女の方は情報の意図的封鎖か……?」

ステイル「上層部に話は通してある、この際住人が幾ら消えても構わない」

「ステイル、先の戦闘で魔女狩りの王は致命的な弱点を指摘されたと……」

ステイル「あれは弱点なのかな……とりあえず周囲2キロに渡って結界を刻む!!」

(ルーンのカードに刃……これでルーンによる直接攻撃が可能になったと言うわけですか……)

(……え、まさかこれが弱点!?)

ステイルは双眼鏡から目を離して呟いた

ステイル「楽しそうだよね……あの子はいつも楽しそうだ」

ステイル「僕達はいつまであれを引き裂きつい付ければいいのかな?」

それは、悲しい声で、今にも消えそうな声だった

「かつてあの場所にいたあなたとしては複雑な気持ちですか?」

その質問を当たり前のように答えた
さっきまでの悲しそうな声ではなく、何も感情の無い声だった


ステイル「いつものことさ」
86 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 19:59:01.48 ID:Qki6fgOF0
インデックス「おふろ、おふろ、おふろ〜♪」

エイワス「ふふ、楽しそうだな」

アレイスター「良かったよ、喜んでくれているようで」

インデックス「だってだって!銭湯って『フジヤマのイレズミがコンヨクでコーヒー牛乳』って黄泉川が言ってたんだよ!!」

アレイスター「色々混じっているぞ」

エイワス「正しくは『黄泉川のイレズミはフジヤマとコーヒー牛乳がコンヨクしてる』だ、忘れるな」

インデックス「忘れないんだよ!」

アレイスター「間違った知識を教えるな……」

三人は黄泉川の提案で銭湯に向っていた


黄泉川「日本に来てまだ一年しか経って無いそうじゃん、だから銭湯にも行って無いって言うから一緒に行ってくるじゃん」


と、言っていたので三人で仲良く銭湯へ

エイワス「アレイスター、私が背中を流そう」

アレイスター「頼むからあなたは入ってこないでくれ」

アレイスターとエイワスは三日の間に色々なことを聞いた
インデックスの事、魔術の事、魔術結社の事
色々効いたがまるで分からなかった
最終的に「神殿作ってエンゼル召喚で魔術完成」でまとめられた、どうしてそうなったのだろうか

エイワス「そろそろ、見えてきたな……インデックス、競争しよう」

インデックス「望むところなんだよ!」ダッシュ

エイワス「なっ!?まだスタートと言っていないぞ!?」
87 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 19:59:47.38 ID:Qki6fgOF0
アレイスター「走って転ぶなよ」フフ

何だかんだで私は今を楽しんでいた
「うじうじと過去や未来の事を考えていても仕方ない」からな
ちなみにその言葉は私の中で一番心に響いた言葉の一つだ

アレイスター「まったく………?」

ふと、違和感に気付いた
周りに、誰もいない
人どころか車一つ走っていなかった
考えられるのは

アレイスター「インデックス!エイワス!!」

「ステイルが人払いのルーンを刻んでいるだけですよ」

「アレイスター=クロウリー……良い名です」

アレイスター「君は……?」

神裂「神裂火織と申します」

神裂「出来れば魔法名を名乗る前にインデックスを保護したいのですが」

魔法名、その名前を聞いてピクリとアレイスターの表情が変わった

アレイスター「嫌だといったら?」

神裂「仕方ありません」

神裂は刀を抜こうとした
その瞬間、アレイスターの周りのアスファルトに幾つ物切り傷がついた
その数……

神裂「七閃」

アレイスター(たった一回の攻撃で七つの斬撃……!?)
88 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:00:37.43 ID:Qki6fgOF0
神裂「もう一度問います、彼女を保護したいのですが」

アレイスター「保護保護……お前らはあの子の何なんだ?」

またも七つの斬撃がアレイスターを襲う
それを察知してアレイスターは横に跳んで回避した

アレイスター(見えない攻撃だが「杖」には通用しない)

アレイスター(後は本体を――――)

その時、アレイスターは一つ引っ掛かる点があった
それに気付いてた瞬間、七閃が容赦なく襲う
回避したが僅かだが左腕に切り傷が入った

アレイスター(奴は今魔法名を……?)

アレイスターはすぐさま後ろに下がった
その瞬間七閃がアレイスターのいた場所を切り刻んだ

アレイスター「まさか……それは魔術ではない……?」

神裂「当然です、私はまだ魔法名を名乗っていないのですから」

そう言って神裂は構えた

神裂「私から逃げれるとは思わないように」

アレイスター「小細工で逃げ切れるとは思えないからな、倒させてもらう」

アレイスター(魔術無しであれほどの攻撃?倒せるか?)

神裂「では―――」

神裂が刀に手をかけた瞬間
アレイスターは懐に入り杖で頭を叩き付けた
89 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:01:06.39 ID:Qki6fgOF0
アレイスター「倒れるか……?」

神裂「その程度でしょうか?」

ゾクッ
背筋が凍ったようにも感じた

アレイスター「耐えた……?」

神裂「その程度で私を倒せるとでも?」

神裂「私は世界で20人しかいない聖人の一人です、その程度の攻撃で倒せると思わないでください」

アレイスター「聖人?」

神裂「簡単に言えば身体能力が人間の10倍以上に跳ね上がっている人間だと思ってください」

アレイスター「つまり、あの程度は効かない……?」

神裂「ええ、ですから諦めてもらいますよ」

アレイスターが後ろへ下がるのと同時に神裂は刀を構えた
抜刀の構えではなく、明らかに鞘で攻撃する構えだった
対するアレイスターも見えない杖を構えた

アレイスター(幻想の杖は消す対象が大きければ大きいほど姿が変化してゆくが)

アレイスター(逆を言えば、打ち消す対象のいなければ見えない杖として使うことが出来る)

アレイスター(相手はリーチ、大きさがどれ程か分かっていないはずだ)

アレイスター(まだ勝機はあるか……)

神裂「行きます」カチャ

アレイスター「来い」スゥ・・・
90 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:01:45.31 ID:Qki6fgOF0
アレイスター「ゲホッ……はぁ……はぁ」

一分もしない内にアレイスターは膝をついていた
頭からは血が流れ、全身ボロボロだった

神裂「もういいでしょう、禁書目録のためにそこまでする必要ないでしょう?」

そもそも、聖人相手に一分間戦っていられるほうが可笑しいのだ
しかしアレイスターはそんな事は知らない
だからこそ、勝機を探り得ることが出来ると信じている

アレイスター「……ある、な……インデックスは私たちに『助けて』と言ったのだ」

アレイスター「なら、助けてやらねば……」

神裂「そうですか、では……」カチャ

神裂は再び構えなおした
とどめの一撃を加えるために

アレイスター「何故、何故……そんな事しか出来ない?」

神裂「どういう事ですか」

アレイスター「君にはそれほど強い力を持ち、それに似合う刀を持っているというのに」

アレイスター「何故君はあの子を追い詰めるようなことしか出来ない?」

神裂「・・・・・・私だって!」

神裂「私だって彼女を傷つけるつもりはなかった」
91 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:02:12.93 ID:Qki6fgOF0
構えをやめ、悔しそうな表情でアレイスターに話しかけた

神裂「それでも…・・・彼女はこうでもしないと生きていけないんですよ」

アレイスター「どういう……意味だ?」

神裂「私は、私は彼女と同じ『必要悪の教会』の一員……彼女の同僚にして、大切な親友です」


その後、アレイスターは一通りの話を聞いた
神裂とステイルとインデックスの過去
一年周期で記憶を消さなければいけないこと
そしてそのタイムリミットが……


アレイスター「……」

神裂「ですから、あの子を保護して……記憶を「………くだらないな」

神裂「……どういう事ですか?」

アレイスター「一年周期で記憶を消す、その度に君達は悲しみ、涙していたのか?」

アレイスター「君は親友だろう?親友なら記憶が消えようが何があろうとも傍にいて彼女を守る」

アレイスター「そんな事も出来ないで何が親友だ!?」

その言葉を聴いた瞬間
頭に血が上り、加減無しでアレイスターに向って刀を大きく振り回した
アレイスターは杖で受け止めようとするが、体は横にとび壁に叩きつけられた

神裂「あなたに何が分かるんですか!?」

神裂「私達がどんな思いで記憶を消していたか!?」

神裂「ステイルがどんな思いであなた達を見ていたのか!?」

神裂「そんな事も知らずに口にするなぁあああああ!!」
92 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:02:43.72 ID:Qki6fgOF0
アレイスターは杖でふらつく体を支えながら立ち上がった
その顔は悔しそうにも見えるが、愉しそうにも見えた

神裂「まだ立ち上がりますか?」

神裂「あなたでは私を倒す事は出来ませんよ」

アレイスター「君こそ……」

アレイスター「君こそ、私がいなければ彼女を助けることは、出来ない」

神裂「何を……言って」

アレイスター「記憶を消す方法でしか救えないと思っている馬鹿だよ」

アレイスター「ちゃんと調べもせずに、勝手に絶望する君達の姿は」

アレイスター「見ていて面白いよ」

神裂「まだ、言いますか……」

アレイスター「ああ、言うさ」



アレイスター「記憶を消すしか方法が無いと思っている君達を見ているのは非常に面白い」



その言葉を引き金に
神裂は全力で刀をたたきつけた
アレイスターの体は骨は粉々になり、体はそのまま壁に叩きつけられた
そしてアレイスターの意識はそこで終わった
93 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:03:12.96 ID:Qki6fgOF0
神裂「!?」

はずだった
神裂の目には骨を粉々にされたアレイスターではなく
刀の鞘を握っているアレイスターが映っていた

神裂「何故?聖人の力と人の力では天と地の差があると言っても……」

アレイスター「お前らはまだ分かっていないのか」

アレイスターの目は神裂を見ていなかった
だがしっかりと神裂に話しかけていた

アレイスター「お前らは自分達の上司から騙されている」

アレイスター「一年周期で消さなければいけないなどと言うのは嘘だ」

神裂「あなた達科学サイドの人間が魔術サイドのインデックスを救えるんですか!?」

アレイスター「科学サイドは救えはしない、だが私なら出来る」

アレイスター「そもそも科学サイドの人間から見れば一年周期で記憶を消さなければ頭がパンクするなどと聞いたら鼻で笑うだろう」

アレイスター「元々記憶は140年分出来るからな」

アレイスター「残りのタイムリミットまで足掻くが良いさ」

アレイスター「出来れば、君達魔術サイドだけで解決してくれることを祈る……」バタッ

限界が来て意識を失った
聖人の力に抵抗した結果、体はボロボロだった
抵抗できたほうも可笑しかった
それでもアレイスターは最後の最後で伝えたいことを伝えた
あとは、魔術サイドの問題
タイムリミットまでにアレイスターが起きるか、神裂たちが解決するかのどちらかだった

神裂「140年分……?なら彼女は思い出を……」

ステイル「どうした?」

神裂「彼女を、別の方法で助ける事が出来る可能性があります」
94 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:03:41.29 ID:Qki6fgOF0
アレイスター「………」

アレイスター「ここは?」

アレイスターは意識を取り戻して起き上がった
周りを見渡したところ、そこは黄泉川の家だと分かった

インデックス「アレイスター!」

アレイスター「インデックス!大丈夫か!?」

エイワス「それよりもまず自分の心配からしたらどうだ?」

アレイスター「エイワス……」

エイワス「まったく……心配したぞ、このまま起きてこなかったら……」

エイワスの目は赤く、涙が見られた

アレイスター「すまなかったな、エイワス」ナデナデ

インデックス「ごめん、私とエイワスがお風呂入っている間に……」

アレイスター「いいんだ、私も気がつかなかった」

インデックス「でも、でも私何も出来なかった……!!」

アレイスター「インデックス……」

インデックス「アレイスターを……助けられなかった……!!」
95 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:04:25.00 ID:Qki6fgOF0
アレイスターはインデックスに手を伸ばして頭を撫でた

アレイスター「君は守られる側だ、だから気にするな」

インデックス「ありがとう……」グス

インデックス「私が回復魔法を使えればすぐ傷も治せるのに……」

エイワス「回復魔法……」

(黄泉川+エイワス「エンゼルサマァ!!」)

アレイスター「いや、あれだけは勘弁してくれ」ガクブル

インデックス「むー、アレイスターはこの期に及んで魔術を信用していないの!?」

アレイスター「いや、羽の生えた火野神作は勘弁して欲しいだけだ」ガクブル

インデックス「?」

アレイスター「そう言えば、私が寝て居たのは何日間だ?」

エイワス「丁度三日といったところだ」

アレイスター「三日……タイムリミットか、寝ている間に魔術師は?」

エイワス「来ていない、しかしタイムリミットとは?」

ガチャン、と扉の閉まる音がした
黄泉川が帰ってきたと思ったが全く違った
そこには二人の魔術師がいた
赤髪の神父と奇抜な格好の女性
96 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:05:10.50 ID:Qki6fgOF0
神裂「……タイムリミットです」

エイワス「アレイスター!?」

アレイスター「いや、いい」

アレイスターはエイワスを手で制した
そしてエイワスの肩を借りてゆっくりと立ち上がった

神裂「確かに、あなたの言ったことは正しかった」

ステイル「それでも僕達では何もすることが出来なかった」

エイワス「アレイスター、これはどういう……」

エイワスの言葉を遮る様に後ろで音がした
そこには苦しそうに倒れているインデックスの姿があった

エイワス「これは……!?」

アレイスター「エイワス、詳しく話している暇は無い、手伝え」

ステイル「その前に君なら助けられる、その意味を教えてくれ」

アレイスター「ああ、教えよう」

アレイスターは銀色の杖、幻想の杖を出現させた

ステイル「幻想の杖・・・・・・確かに僕の魔術を打ち消した」

アレイスター「さらには、歩く教会とやらの機能を破壊したのも私だ」

ステイル「これでインデックスにかかっている魔術を破壊すると言うことか」

エイワス「魔術?インデックスに?」

ステイル「この子は魔術をかけられて記憶を一年周期で消さなければいけなかった」

エイワス「……まさかタイムリミットとは」

神裂「そういうことです、その魔術を幻想の杖で壊してもらいます」

アレイスター「それにより全て終わり、では無いかもしれないがな」

神裂「では、全てはその杖にかかっているのですか」

アレイスター「ああ、これに全てをかけろ」

ステイル「その杖にそれだけの自信があるのか」

アレイスター「ああ」

その言葉を聞いてステイルは一つの十字架を見せた

ステイル「これはインデックスの記憶を消すのに必要な道具だ」

ステイル「自信があるなら消してみろ!!」

迷い無く杖を振った
パキン、と音を立てて十字架は壊れた
97 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:05:39.06 ID:Qki6fgOF0
ステイル「……わかった、君に賭けよう」

エイワス「良いのか?消してしまって」(小声)

アレイスター「どうせ偽者だろう?ここで本物を出すほど馬鹿では無いだろう」(小声)

エイワス「それもそうだな」フフ(小声)



ステイル「さあ、見届けるぞ」

神裂「本物の十字架を差し出すとは……ステイル、そこまで彼らを?」

ステイル「……これしか、これしか方法は無いんだ」



アレイスター「」

エイワス「」

アレイスター「これ失敗したら」(小声)

エイワス「知らないな、私は逃げるぞ」(小声)

アレイスター「お墓は景色のよい……」(小声)

エイワス「死ぬこと前提で話を進めるな」(小声)
98 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:06:13.14 ID:Qki6fgOF0
ステイル「さあ、やってくれ」

アレイスター「あ、ああ」

アレイスターは心の中で「失敗しないように」と繰り返し唱えていた
杖で体を突いていった

ステイル「」イライラ

アレイスター(やばいな……何処にあるんだ?)ダラダラ

エイワス「アレイスター……私はそろそろ葬式の準備を進めるぞ」

アレイスター「縁起でもない……」

神裂「あの……」

と、汗をダラダラと垂らしながら神裂のほうを向いた
その姿を見て若干神裂は引いていた

神裂「脳に関係していた魔術ですから頭に近い場所にそう言う魔術があるのでは?」

アレイスター「そういう事か、そこに気付くとはやはり天才か」

エイワス「で、頭に近い場所……口か?」

アレイスター「そうか、そうかもな」

そう言って容赦なく杖を口の中に突っ込んだ

インデックス「もごっ」パキン

ステイル「なっ」

エイワス「ちょっ」
99 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:06:43.25 ID:Qki6fgOF0
「もごっ、もごっもごもごもっ」

と、杖を口に突っ込みながら起き上がった
シュールな光景である

「おぇ!ぐほっげほっ……警告!全結界の貫通を確認!侵入者を迎撃済ま……げほっ」

「またこの人達……この人達いると調子が狂わされます」ショボーン

エイワス「ペンデックス!」

エイワス(ショボーンとしているペンデックス……)ジュルリ

アレイスター「エイワス、顔に出ているぞ」

ステイル「ペンデックス……?」

ペンデックス「『聖ジョージの聖域』を発動します」

神裂「魔術を……!?」

アレイスター「ふっ、やはりな……」

ステイル「予測していたのか!?」

アレイスター「都合のよい嘘を教えられていたんだ、このくらいはあっても良いだろう」キリッ

ステイル「科学サイド……侮れないな」

エイワス(いや、今考えた嘘だろう……)

神裂「来ます!」

空間に亀裂がはいり、その内側には『何か』がいた

アレイスター「あれは……」

ステイル「見るな!毒されるぞ!!」

その瞬間、亀裂の中にいる『何か』からビームのようなものが出てきた
それはまるで竜が放ったかのような攻撃だった

アレイスター「くっ!」

それを杖で受け止めた
杖は震え、今にも折れそうだった

アレイスター(……震えている?怖い?まさか)

アレイスター「興味深い!!」

アレイスター「亀裂の中にいる奴を倒せば私の勝ちだ!!」
100 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:07:11.31 ID:Qki6fgOF0
神裂「『竜王の殺息』!?それは伝説にあるドラゴンの一撃と同等の攻撃です!!」

全身の力を使って杖で防いだ
だが、魔女狩りの王と同様に消しきるのは難しかった

アレイスター「くっ……体制が!」

エイワス「ならば整えろ!!」

エイワスが片手を差し出して壁を作った

エイワス「幻想障壁では制限が有りすぎる!5秒で整えろ!!」

アレイスター「すまない!これで全力を出せる!!」

そう言って手に力を込めて握り締めた
その瞬間杖の蕾は開花して銀色の花を咲かせた

アレイスター「開花まで出来るとは思わなかった……」

エイワス「いけるか!?」

アレイスター「ああ!この状態なら迎えられる……」
101 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:08:05.46 ID:Qki6fgOF0






アレイスター「私達でインデックスを笑って迎えられる結末を掴み取ることが出来る!!!」





102 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:08:31.55 ID:Qki6fgOF0
「救われぬものに救いの手を――――Salvare000!!」

魔法名と共に七つの斬撃がペンデックスの足場を崩す
足場を崩されたペンデックスは倒れ、上空に『竜王の殺息』を放った
その上からは光の羽がゆらゆらと落ちてきていた

アレイスター「神裂……」

神裂「あなたに全てをかけます!!」

「我が名が最強である理由をここに証明する―――Fortis931!!」

アレイスターの盾となるように目の前に魔女狩りの王が現れた
光の羽からアレイスターを守るような形になっていた

アレイスター「ステイル……」

ステイル「あの子を確実に救え!!」

アレイスター「ああ、必ず!!」

ペンデックス「新たな敵兵を確認、戦場思考の変更、検索……」

エイワス「ここでアレイスターを倒されたらまずい!!」

神裂「くっ」

ステイル「分かっている!!」

ペンデックス「破壊の最優先対象を――――」



ペンデックス「『エイワス』に設定します」




エイワス「………」

エイワス「え?」
103 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:09:24.12 ID:Qki6fgOF0
アレイスター「このタイミングでエイワス!?」

ペンデックス「対守護天使系才色兼備美少女用術式『エンゼルよ、何故火野を見捨てたのですか』の発動まで残り十秒」

エイワス「またエンゼル!?そんなヤケクソの魔術があるはず……」

ステイル「あれは十万三千冊の魔道書の中から天使の弱点、矛盾点を徹底的に洗い出して術式を組み上げた彼女にしか出来ない魔術だ!!」

神裂「対天使用の術式です!!何が起きるか分かりません!!」

エイワス「魔術サイドの連中の能力は大丈夫なのだろうか……」

エイワス「まぁ、何にせよ、今がチャンスだな」

神裂「行って下さい!!」

ステイル「行け!能力者!!」

アレイスター(神よ)

アレイスター(あなたがこの世界を計画通りに動かしているというのならば)
104 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:09:53.45 ID:Qki6fgOF0






アレイスター「まずは、その幻想を貫かせてもらう!!」

ペンデックス「もごっ」




105 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:10:24.35 ID:Qki6fgOF0
杖は亀裂を破壊した
そしてパキン、と言う音と共に『竜王の殺息』は無くなった
ただし、上からは余波の『光の羽』がゆらゆらと漂っていた

神裂「気を付けてください!!その光に一枚でも当たればただではすみません!!」

アレイスター「インデックス!!」

その場でインデックスに駆け寄って抱き寄せた

インデックス「―――――」

アレイスター「何か言ったか?」

インデックス「口の中が……」

アレイスター「ああ」

インデックス「鉄の味するんだよ……」

アレイスター「………」

アレイスターがインデックスの言葉に呆れていた瞬間だった
アレイスターに光の羽が落ちた
ゴッ!と巨大な音と共にアレイスターの頭からは大量の血が出た


神裂「―――――」

ステイル「―――――」

インデックス「――――――」
106 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:11:01.74 ID:Qki6fgOF0
とある病院の一室


ベッドの上には一人の男がいた
その姿は男にも女にも見える
普段は髪を結んでいるが、今は髪を解いていた
結んでいた時と比べれば男よりも女に間違われる姿だった

「………」

花瓶の横に置いてある手紙を開けてみた
その内容は



「親愛なるアレイスター

僕達はあのタイムリミットの三日前に君から教えられたことを参考に脳科学を調べてみた
確かに、僕達は愚かだった
記憶を消し去るしか救えないと思っていた僕達が馬鹿だと思った
君は諦めていた僕達の目を覚まさせてくれた
だからこそ、君には感謝したい、ありがとう」



読み終わったと同時に病室の扉が開いた
扉の前には銀髪と金髪の女性

「アレイスター!」

銀髪のシスターは「誰かの名前」を言った
それが誰の名前かは分からない

「君……」

「病室を間違えていないか?」

「もしかして私の知り合いか?すまないな」

覚えていない
誰も、何も、ここが何処なのかも

「私の名前はインデックスって言うんだよ!」

彼女はインデックスと名乗った
私は……

「私の名前はアレイスターで合っているのか?」

私はそう言った、何も考えずに、自分の名前を知るために

「アレイスター………」

金髪の女性が悲しそうな目で見てきた
107 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:11:41.86 ID:Qki6fgOF0






エイワス「いい加減その下手な演技を止めたらどうだ?」




108 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:12:15.81 ID:Qki6fgOF0
アレイスター「何を……」

エイワス「私は羽が頭に当たる瞬間幻想障壁を使って羽の威力を弱めた」

エイワス「さらに応急処置で20分前の状態で病院に運んだから君は記憶を失っているはずが無い」

インデックス「え、そうなの?」

アレイスター「………」

アレイスター「ふ、やはり君は引っ掛からなかっ」ガブッ

インデックス「ガブガブ」

アレイスター「死ぬ、流石に歯で齧るのは……」

エイワス「ハムハム」

アレイスター「あなたは何がしたいんだ!?何で耳を噛んでいる!?」

エイワス「美少女の甘噛みだ、どうだ?」

アレイスター「どうもしない……」ハァ…

インデックス「ふん!」プンスカ

インデックスは怒って病室を出て行った
だがその横顔は嬉しそうだった
目を赤くしていたので起きる前まで泣いていたのだろう

アレイスター「悪いことをしてしまったな」

エイワス「そうだな、それでアレイスター」

アレイスター「どうした?」

エイワス「本当にこれで良かったのか?」

アレイスター「何がだ?」

エイワス「本当は何も覚えていないんだろう?」
109 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:13:09.64 ID:Qki6fgOF0
アレイスター「見破られていたか」

エイワス「あの時、『竜王の殺息』を止めた一撃で私の限界は迎えていた」

エイワス「未完成な状態で作った壁は効果が薄かった」

エイワス「さらに応急措置で確かに傷を無くしておいた」

エイワス「だが一度失った記憶を戻すわけじゃない」

エイワス「一度焼ききったHDの外側を一時的に戻しただけであって中身を復活させたわけではない」

アレイスター「……それでも、私の事を知っている人が、傍にいてくれた人が近くにいるから不自由は無いだろう」

エイワス「アレイスター……」

アレイスター「君から聞かされたことは正直信じられない」

アレイスター「それでもインデックスには泣いて欲しくなかった」

アレイスター「……ふふ、私は案外覚えているのかもしれないな」

エイワス「脳細胞に思い出が残っているとでも?」

アレイスター「違うな」
110 : ◆aWeOQSfgWQ[saga]:2011/05/02(月) 20:13:35.59 ID:Qki6fgOF0




アレイスター「心に、だよ」

エイワス「ふふ、似合わない言葉だ」






posted by SS at 23:34| Comment(0) | とある魔術の禁書目録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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